ビューティフル・サンデイ


(昨日に引き続き、画像はこちらからお借りしました→イーオシバイドットコム

ここのところ、毎晩堺さんのDVDを見ていますねぇ。夜主人がいないから自分の見たいものを見たい放題!のせいですが。今日はこれを鑑賞。
初演は2000年。全く堺さんについて知らなかった時期です。DVD化は2005年。

ある日曜日、ファミレスの店長である秋彦(小須田康人さん)が目覚めると、隣には知らない女(ひちろ・長野里美さん)が。問い詰める秋彦に「以前ここに住んでいた、いやなことがあって酔っ払って間違えてしまった…等々」飄々とこたえるちひろ。そうこうしているうちに秋彦と同居しているゲイの浩樹(堺さん)が帰ってきて…というところから始まる3人芝居。同居3周年記念日の日に秋彦は浩樹を大分の自分の家に連れて行こうと考え、浩樹は秋彦と分かれようと考え、ちひろは…

徐々に明らかになる3人がそれぞれ抱える悩みが切ないです。秋彦は急遽上京してくる大分のお母さんのことを浩樹に言えない、浩樹はHIVに感染していて、ゲイではない秋彦の重荷になりたくないと別れを告げようとしている、ちひろはこのアパートの近くに住む不倫相手を忘れられずにいる…言葉で書いてしまえば陳腐(といえば言い過ぎか)なんですよね、この悩みって。でもそれをそうと思わせない3人の演技がすごいです。しかもこれコメディなんですよ。始まって25分くらい秋彦とちひろ2人でのやり取りなんですが、もうこの2人がすごくおかしい。特にちひろの人を食ったような返答に秋彦が怒るんですけど、ちひろに翻弄されてる感じがなんともいい味。後は堺さんに視線固定で感想を。

朝帰りのヒロ(と呼ばれてるんですね)。すっごい若い!実際このとき20代後半だと思うんですけど、それより更に若い雰囲気で、なんかオトコというより男の子!という感じ。オレンジのジャンパーにマフラー姿ですが、かわいいです。全く初対面のちひろといきなり意気投合してユーミンの歌をコーラスして踊る堺さん。いや〜珍しいものを見た!という感じ。ホモの役ですけどおかまっぽくはなく、なんかかわいらしいです。
2幕ではいきなり上半身裸!(演出の板垣さんいわく「堺ファンへのサービスショット」らしい・笑)もうほんとに貧弱です。腕だけはなんか筋肉質でしたけど、ボディがね〜。先日見た噂の男よりも更に細い。きれいですけど(笑)実はお見合いすることになっている秋彦のためにちひろを相手に練習させようとするヒロ。なんかね〜このときの仲介人役をしている堺さんの身振り手振りがおかしくてかわいくて。(もうずっとかわいいとしか思えない)
他には秋彦とベッドサイドで髪を切ってもらった後にいちゃつく(なんか言い方がやらしいな)んですが、このときもほんとになんていうのかほのぼの〜というかんじでかわいいしきれいなんですよ。とここまでは不穏な空気をはらみながらもまったりときてたんですが。
第3幕、3周年記念の食事を始めるだんになって、プレゼント交換をしようという秋彦。実は大分に建てる家にお母さんとヒロと3人で暮らす計画をしていました。しかしそれを聞いても嬉しそうではないヒロ。ヒロはヒロでこの3周年記念に秋彦と別れる決心をしていたのです。ヒロは秋彦がホモではないのにヒロの生活の面倒を全部見てくれたり、ギャラリーにあったはずのヒロの絵を引き取ったりするのはヒロがHIVに感染しているかわいそうな子だからだ、ヒロの重荷になりたくないと大分行きを拒否。このときの堺さんの表情がもうなんともいえません。すごく切ない顔なんですよ…見てるこっちはヒロが秋彦のことを大好きだと思っているのがありありとわかって。心にもないことを言っていることが良くわかって。堺さんってこういう演技はすごくうまいと思います。言っていることとやっていることがちぐはぐという演技。
これを聞いた秋彦は、「肉体関係がないとホモじゃないというならやってやるよ!」とヒロをベッドに押し倒し、ヒロがとうとう「好きなんだよ!好きだから一緒にいられない」と告白。いや〜このときの告白してる堺さんのくしゃくしゃの顔がすごくよくって。ちょっと鳥肌モノでした。
この2人の間にいたちひろ、よくいられたな〜。私ならとっくに逃げ出してると思う。(いや、ヒロの部屋から覗き見してるかもしれないけど・笑)だってこっぱずかしくって。ちひろは暗転の間に不倫相手の教授の奥さんに告発の手紙を出してきた…ってことになってて、その「教授」の家に救急車がとまったことからまたどたばたするんですけど割愛(笑)。最後はハッピーエンドということになるのかな。問題自体はほとんど解決はしてません。確かに秋彦のお母さんにヒロとのことはばれてて認めてもらったという意味では秋彦とヒロの間の問題は少しは解決したとはいえます。でもちひろは完璧にうそつかれて振られてるし、ヒロのHIVについても治ってるわけじゃない。けれど最後のせりふが「俺は星が降っても別れない!」と宣言したヒロの明るい声でなんかほんわかしたいい気分で見終ることが出来ました。
脚本家の中谷さんによるとこの話(というかシリーズ)は「5センチのハッピーエンド」なんだそうで、その感じはすごく良く伝わります。ほんの5センチされど5センチ、進むことで変わるものがある。とっても元気をもらえる作品でした。
もう、かわいい堺さんが満載!ぜひ見ていただきたいなぁ。