南極料理人鑑賞

本当は9月になってから見に行こうと思っていた「南極料理人」。
休みを取らなければ見に行けないということを考えて、行きたかった霊山博物館の「新選組展」が8月末までだったこともあり、急遽見に行ってきました。
霊山博物館などの感想は後日。

映画館に到着してまず購入したのがパンフレット。700円。

横長で鯨とおにぎりがかわいい(携帯画像なので見にくいですが。)でも何より、中身です。写真も多く、伊勢エビフライのレシピや沖田監督の撮影日誌なんかも載っており、盛りだくさんでお買い得です♪
他にグッズがあればほしかったのですが、いった映画館にあったのはお箸だけ。それも白木のちょっと太めのお箸にタイトルのみが焼き印で押してあるもので、ちょっとかわいさが足りず購入はやめました。

平日の朝からの上映だからか、お客は6割くらい。それも大人の女の人が多く、男性も結構おられました。予約してから行ったので、席はちょうどスクリーンの高さと目の高さが一致する真ん中の席(わかりにくい表現だなぁ、とにかくとても見やすかったということがいいたい)

以下感想です。ネタバレ含みますので隠します。

映画は、堺さんがたびたびインタビューでおっしゃっていたとおり、「何も起こらない」映画でした。隊長(きたろうさん)、本さん(生瀬勝久さん)、主任(古館寛治さん)、兄やん(高良健吾さん)、盆さん(黒田大輔さん)、平さん(小浜正寛さん)、ドクター(豊原功補さん)、そして西村(堺さん)。この8人が1年間を富士ドーム基地で毎日ご飯を食べる、それを丁寧に描いた映画です。
この感想の書きにくさは、ジャージの二人の時の感覚と似ているかも。(あのときはまだブログ持ってませんでしたが)とにかく劇的なことは何も起こらないんですよ。隊員の誕生日があったり、ホームシックによるストライキがあったり、遠距離恋愛が壊れたりはするんですが、基地の他の隊員の日常生活にはあまり影響がない。でも、初めはほんとに寄せ集めで特に西村は傍観者的な雰囲気を漂わせてるんですが、ラストの食事の時にはほんと疑似家族のようにうち解けている。それがとてもいい感じでほんわかしました。

以下順不同で主要メンバーの感想を。
隊長(きたろうさん)。
もうこの方、すごくかわいい!!茶色のクマ模様(?)のパジャマがすごくお似合い。で、それを着て夜中に西村の個室まで押しかけてラーメン食べたいと泣くんですよ。もう。あと、西村の手打ちラーメンが念願かなって食べられる時の顔も、「ほわ〜」という擬態語が字幕で出てきそうなかわいい顔。こんな方が隊長でおられたらそりゃなごむなぁ。素敵な隊長でした。

本やん(生瀬勝久さん)
この方だけは誕生パーティーの様子がエピソードとして出ます。その大馬鹿騒ぎの最中に西村と二人で飲むんですが、「やりたい仕事が南極でしかできないだけなんだけどなぁ」(←いつもの通りうろ覚え。以下台詞引用の時は同様)という言葉にしみじみきました。あと、ラストの食事シーンで、おはようの挨拶をしない主任にしつこく「おはようは?」と言い続けるところがほんとお父さんみたい。

ドクター(豊原功補さん)
もう、この方おられるだけでおもしろい!数年前の「時効警察」というTVドラマで初めて知ったのですが、あのキャラも好きでした。日を追うごとに自転車の練習の服装がどんどん薄着になっていって、最後は上半身裸でしたからねぇ。バーなんかも作っちゃって、カクテルをシェイクしている姿なんかは決まってました。髪型とひげはもしゃもしゃと暑苦しいのですが((笑)でもそれいっちゃったらメンバー全員なんですよね〜。床屋さんいないしね。)

この3人の演技がとても好きで、そして画面におられるだけでしまっていたような気がします。他のメンバーには失礼な話ですが、でもこの3人がほぼ会場の笑いを持って行ったのではないかと思います。

兄やん(高良健吾さん)
遠距離恋愛の彼女とだんだん会話がなくなっていく感じがとっても切ない。普通の遠距離じゃないしねぇ。

主任(小浜正寛さん)
この方一人関西弁でのお芝居でした。ホームシックというか、仕事拒否症?でストライキするのですが、仮病なんですね。西村に「ここばい菌いませんから風邪引きません」とかいわれちゃったり。でもストライキ。シャワー浴びながら歌う歌がすごくうまかったです。(←尾崎豊の歌らしいのですが、私は知らなかった。)ほぼ日。の堺さんによるとすごく練習されてたとか。納得です。

盆さん(黒田大輔さん)、平さん(小浜正寛さん)
すみません、二人一緒で。このお二人、外見は違うのですが、あんまりストーリーに絡んでないので…あ、でも盆さんはラーメンをたいちょうと夜中に食べたり、バター丸かじり(!)したり、食い意地張ってましたね。

とにかく、個性あふれる隊員たちで、見てておもしろかったです。会場ではかなりの回数で笑いが出てましたし。

で、西村(堺さん)
太ってるからか、髪が長くてぼさぼさだからか(しかも後ろでちょこんとくくってる)前作の「ジェネラルルージュ」や、今の「官僚たちの夏」のような鋭さは全く感じられません。ほんと同一人物?というくらい。
娘の前で寝転がってテレビ見ながらおなら(!)して、けっ飛ばされたり(これが堺さんの言っていた小野花梨ちゃんの鋭いケリですね)、足でドアを蹴飛ばして開けたり、南極に単身赴任を告げて妻と娘に爆笑しながらバカにされたり…もうどこのおじさん!という感じ。
基地に来てからは、ほんとおいしいも何もなく黙々と食事を食べ続ける隊員を、きょろきょろと反応見ながら食べる傍観者です。最初の内は。好きなものを聞いたら、本さんにも「食事するために南極に来てるわけじゃないから」とまで言われ。私だったらへこむなぁ。料理人として行きたくもない(ほんとは南極に来るはずだった同僚の宇梶さんがバイクで事故ったから身代わり)南極までやってきてこんなこと言われたら。でも、仕事なんですよね。言われたからって帰ることも出来ないし。で、夜中にラーメンを食べちゃうたいちょう達にも何も言わない。黙々と料理を作る。でも、その料理、堺さんも言っていましたがほんとだんだん大ざっぱになって行き、それにつれて隊員達もうち解けていく(逆も言えるかも)様子がすごく出ていました。「おいしいものを食べると元気になるでしょ?」という西村の台詞がこの映画のテーマなんじゃないだろうか。そして、それを1年かけて実現したのがこの映画。
「料理を作っているときの撮影は、演技じゃなくてほんとに料理を作っているつもりでした」という堺さんのインタビューがありましたが、それを裏付けるように堺さんの今まで見たことのない表情がたくさん見られました。特にミッドウィンターのフルコースを作っているときの表情なんかは、一生懸命でありながら演技とは思えない素の表情ぽかったです。

とにかくお料理がたくさん出てきておなかがすく映画でした。
で、ちょうどお昼に終わったので、おきまりのラーメンを食べちゃいました。ほんとおいしそうだったんですよ、映画の中の手打ちラーメン。

もう一回スクリーンでみたいとは思わないけれど、DVDはほしいなあと思える映画でした。

H21.8.26 TOHOシネマズ二条で鑑賞。