青い文学 人間失格第4話 新世界

前回から4年後。堀木が訪ねていくとちゃんと表札のかかった家に葉蔵が、たばこ屋の看板娘美子と結婚して一緒に住んでいました。
やたら明るく感じる(いや、これが普通の堺さんの声っぽいけど)声で話す葉蔵。今までの声に比べるとどーもムリしているように感じられてしょうがないのはなぜ?世間が怖かった葉蔵。真実を話したのに「信じない」と明るく否定され、「世間なんて一人一人の集まりじゃないですか。」とあっさり言い切られて「世間が怖くなくなった」と。美子を「あいつは信頼の天才だ」「おれのマリア様だ」とのろける葉蔵。どうやら本人(葉蔵)は自分の過去を切り売りした漫画を描いてでもお金を稼いで二人で映画を見たり銀座で買い物したりと葉蔵が考える「人間らしい」生活を満喫しているから明るく振る舞えるようなんですが…。
でも堀木が伝えた葉蔵の父の死を聞いて取り乱したりするところからやっぱりムリしてるのがありあり。しかもそのとき階下で編集者に美子が乱暴されているのを目撃してさらに錯乱状態に。せっかくできはじめていた自信も「僕の漫画が売れるはずはないんだ」と ぼろぼろに。もうこの辺の葉蔵の声がすごいです。錯乱状態を演じる堺さんの声ってもう何というかほんとにいいんですよ〜。「ひゃははははは」(すみません、字にしたら全然すごさが伝わりません)という笑い声。ぞくぞくします。

結局美子の自殺を阻止し、自ら薬を飲む葉蔵。そのときは助かったのですが、結局最後に自殺してしまう…という第1回の心中の時とは全く逆の結果に。アニメではお化けに「もうずっと一緒だよ」(うろ覚え〜)という最後の言葉で葉蔵の死を暗示するところで終わってますが。

とにかく暗かった〜。原作を読んだときに思った暗さがそのまんまアニメで表現されていて最後の方は見てるのがしんどかったです。堺さんの声とあの葉蔵のビジュアルだけが救いでしたね。
最後まで見てももう一度原作を読んでみようと思えないくらいの「名作」でした。