火星のわが家


2000年頃の映画です。あらすじ…私あらすじ書くのがとっても苦手なんですよ。それをあえて書けば、ジャズボーカリスト鈴木重子さん、ミュージシャンのちわきまゆみさん、堺雅人さん、日下武史さんのほぼこの4人でお話は進んでいきます。

心に傷を負ってNYから帰国したボーカリストの美知子(鈴木)。それは普通に話すことは出来ても、ステージに立つと声が出ないという症状となっていた。父の康平(日下)は昔、「火星の土地販売」をしたことがあり、現在自伝を書くのに夢中。その康平は、脳梗塞で倒れてしまう。家で面倒を見たい美知子と、介護施設に入れたい久仁子との確執、家に居候する透(堺)との恋愛…

といった内容でしょうか。

主人公の美知子を演じる鈴木重子さん、全然存じ上げなかったんですが、当時KDDI(懐かしい名前だな〜)のCMをされていたんですね。エンディングの歌がとても素敵。美知子という役は、心の傷を抱え、お父さんの介護、そしてお姉さんとの確執、透との恋愛とたくさんの側面を出さないといけない難しい役だと思うんですが、それをさらっと重くなりすぎず、ご本人の雰囲気で演じられていてとても素敵な女性になっていると思います。スタイルもいいですしね。ただ、雰囲気で流している分、見ているこっちは感情移入しにくく、心の動きが見えないところがちょっともどかしいです。(どうも、私は主人公に感情移入して映画を見てしまう癖があり、感情移入しにくい主人公の映画にはちょっと辛口になってしまうところがあります)
最後、お父さんが亡くなってNYに帰る時に透とベランダで並んで「わが家」について語る場面。なんかほのぼのしちゃいました。結局作中で二人がどうこうなる場面(一歩手前はあり・笑)だったんだけど、やっぱりすきなのね〜と思える、でもちょっともどかしい!というとっても二人らしい告白タイム。ここでさっき書いた鈴木さんの歌が流れてエンドロールなんです。奥ゆかしい感じがとても鈴木さんの雰囲気にマッチして、見てよかったなぁと。

で、相手役(?)の堺さん。まず「若っ」これ撮影は1997年くらいだったらしいので、ちょうど劇中の25歳くらいだったんじゃないかと。いやしかし、若いぞ〜細いぞ〜。短パンにTシャツにややマッシュルームカットをぼさぼさにしたような頭。かっこよさはほとんどありません。美知子とデートしてても、マッサージしててもやや鈴木さんのほうが背が高いからか、姉と弟みたい(笑)それが美知子にせまっていくんだもんなぁ…。どうしても色っぽさがありません(笑)このほかにも久仁子といい雰囲気になっちゃう場面もあるんですが、ちわきさんは色気でせまってくるんですが、受ける堺さんにどうも…(以下自主規制)。いや、けっして堺さんがどうこう言っているわけじゃないんですが(←充分言ってる)、やっぱりラブシーンはいまひとつ。この頃からの堺ファンの方は、私どころじゃないラブシーン恐怖症なのかも…といらないことを考えたりしちゃいました。(大きなお世話ですね)

久仁子役ちわきまゆみさん。確かこの方もミュージシャンだったんじゃないかと(あいまいな記憶)。とっても色っぽいです。特にあの赤いスリップドレスが!!というところはおいておいて、お父さんが倒れて介護施設に入れようとする久仁子。美知子は「家で面倒を」と言うが、「あなたは家にいないから。面倒を見る私の立場にもなって」(←うろ覚え)という場面。とってもぐっと来ました。いや、うちはまだ介護云々の話は無いですけど、自分自身姉で、しかも実家の近くにいるのは姉弟の中で私だけ、という立場にあるものですから、ついつい久仁子のほうに感情移入しちゃったり。素敵なお姉さん役でした。

そしてお父さんの日下さん。もう自分勝手で頑固で妹がかわいくて…という絵に描いたようなお父さん。なんかどうも自分の父に被って、それもあってこの映画、ちょっと穏やかに見られなかったなぁ。いや、役者さんもストーリーもとっても素敵な、いい映画だったとは思うんですけどね。